最終工程を外注する場合の調査主体と根拠書類の記載

最終工程を外注する場合の調査主体と根拠書類の記載

●調査主体
 1)最終工程を行っている企業 ※原産資格を与えることとなる工程を行っている必要がある
 2)最終工程前の実質的な生産者 ※①~④を満たし検認時等に必要に応じ当局へ説明できることが前提
   ① 最終工程が日本で行われていること(生産場所の把握)
   ② 最終工程が調査対象品の原産性に影響しない加工であること(作業内容の把握)
   ③ 最終工程の生産企業名、生産工場名、作業内容、使用材料等も含めて根拠書類を作成すること ※1
   ④ VAルール利用時は、最終工程に掛る費用を非原産材料費として扱ったとしても閾値を超えていること ※2
    ※1 原産性に影響を及ぼさない最終工程を外注している場合は、後述根拠書類作成方法も参照 
    ※2 外注費のうち、材料費と非材料費が明確に示せる場合は、非材料費を原産資格割合に計上も可

●根拠書類の作成
 1)最終工程を行っている企業が調査主体となる場合
   通常通り自社工程の範囲について原産資格調査を行う

 2)最終工程前の実質的な生産者が調査主体となる場合
 <基本>
  CTC①:最終工程も含めて対比表を作成 + ※1 メッキ加工情報
  VA①:最終工程の材料費・非材料費を非原産材料分として計上 + ※1 メッキ加工情報

 <CTC:上記CTC①対応が難しい場合で、最終工程がメッキ、アルマイト、溶射、塗装等、産品のHSコードに影響を与えない表面処理加工(業種の制限なし)の場合>  
  CTC②:対比表には最終工程の情報を記載しない + ※2 メッキ加工に係る確認書 を提出
       →但し、最終工程の投入材料もCTCを満たしている前提
  CTC③:対比表には最終工程の情報を記載しない + ※1 メッキ加工情報 + ※3 CTCの確認文言  
  
  ⇒最終工程にて材料の投入があれば、当該材料のHSコードが調査対象品のHSコードとの間で十分な変更が生じているか の確認が必要となる
   投入がなければ、最終工程における材料の考慮は不要となり、生産情報や裏付け書類等の準備が必要になるものと思料

 <VA:最終工程の材料費と非材料費が明確に区別できる場合>
  VA②:材料費のみ非原産材料分として計上 + ※1 メッキ加工情報
  
  ⇒最終工程にて材料の投入があれば、当該材料の価格を含めて原産資格割合の計算を行った場合にも基準値を達成するか の確認が必要となる
   投入がなければ、最終工程における材料の考慮は不要となり、生産情報や裏付け書類等の準備が必要になるものと思料
    (且つ、非材料費である証明と共に外注費を原産資格割合に参入することも考えられる)

 <カテB証明> 
   カテB①:最終工程含め投入材料全て原産材料とのもと根拠書類を作成
   カテB②:最終工程情報を記載せず根拠書類を作成 + ※2 メッキ加工に係る確認書 を提出
        →但し、最終工程投入材料もカテBを満たしている前提

 ※各種追加情報について 
  ※1 メッキ加工情報: 「加工業者名+加工工場名+作業内容(〇〇加工)」
  ※2 メッキ加工に係る確認書:各判定事務所によりフォーマットを保持しているとのこと(統一のものはない)、各判定事務所に相談を推奨
  ※3 CTCの確認文言: 「産品と〇〇材料の間でCTCが起きていることを確認済」
 
●CTC②③の対象となる最終加工(判断のポイント)
 技術的知見よりTKTCから該非を断定することはできない為、判断のポイントを紹介する
  1)最終加工工程が産品のHSに影響を及ぼさない
  2)最終加工時に材料投入があり且つ材料が製品に残る
    (材料投入がない場合、確認書やCTC確認文言自体の対象が存在しないこととなる)
 
●CTC③の記載方法が追加された背景
 実務上メッキ等表面加工の情報は秘匿性が高く外注元でも情報入手ならびに判定が困難
 上記旨METI/JCCI/JAMAJAPIAの検討・合意の下、CTC③での判定依頼開始(24年11月)

●参考資料:
JAMA/JAPIAとのやりとり

加工対象の検討資料

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